ソウルガールズ(映画)のあらすじや実際に観たネタバレ感想

 

2012年のオーストラリアで製作された映画『ソウルガールズ』を鑑賞しました。1960年代に実在した女性4人のボーカル グループ「ザ・サファイアズ」の活躍を描いたドラマ映画です。今回は映画『ソウルガールズ』の作品情報やあらすじ、ネタバレを含んだ感想について紹介します。

 

題名の通り、作中にはソウルミュージックがたくさん登場します。そのストーリーからも「ザ・サファイアズ」のソウルフルな歌声からも元気をもらえました。

 

「ザ・サファイアズ」のメンバーはオーストラリア先住民の3姉妹と従妹です。1960年代のオーストラリアではまだ白人による差別が根強く残る時代でした。そんな中、夢を叶えるべく歌い続けることで苦難の人生を変えた女性達と家族の絆が描かれています。

 

[ad1]

映画『ソウルガールズ』の作品情報

原作は脚本を担当したトニー ブルックスの舞台『The Sapphires』で、2005年にメルボルンで初演を迎えています。トニー ブルックスの母親がモデルとなった「ザ・サファイアズ」のメンバーでした。

この舞台版『The Sapphaires』の出演者が、監督を務めたウェイン ブレアと3姉妹の長女役ゲイルを演じたデボラ メイルマンです。

 

基本情報を紹介

原作The Sapphires(トニー ブリッグスによる舞台版)
上映時間98分
公開年(日本)2014年
製作国オーストラリア
監督ウェイン ブレア
脚本キース トンプソン
製作ローズマリー ブライト、カイリー デュ フレズネ

出演キャスト

 

  • ゲイル役…デボラ メイルマン、1972年7月14日生まれ、オーストラリア出身
  • デイブ役…クリス オダウド、1979年10月9日生まれ、アイルランド出身
  • ジェリー役…ジェシカ マウボーイ(歌手)1989年8月4日生まれ、オーストラリア出身
  • ケイ役…シャリ セッペンズ、1985年4月22日生まれ、オーストラリア出身
  • シンシア役…ミランダ タプセル、1987年12月11日生まれ、オーストラリア出身
  • ロビー役…トリー キトルズ、1975年8月2日生まれ、アメリカ出身

 

 

 

映画『ソウルガールズ』 のあらすじ

1968年、オーストラリア。ゲイル(デボラ・メイルマン)、シンシア(ミランダ・タプセル)、ジュリー(ジェシカ・マーボイ)の三姉妹は、幼い頃からアボリジニの居留地で、家族や友人たちを楽しませるために、カントリー・ミュージックを歌ってきた。

 

スター歌手になることを夢見ていた彼女たちは、町のタレント・コンテストに出場が決定。大喜びしながらコンテストに臨むが、観客は白人ばかりで、居留地から来た三姉妹に勝ち目はない。マール・ハガードの歌を素晴らしく歌っても、悪意に満ちたコメントで迎えられた上、賞金はとんでもなく下手くそな参加者に与えられた。

 

ショーの司会者デイヴ(クリス・オダウド)だけが彼女たちの才能を評価するが、三姉妹に対する観客の冷遇を非難したため、デイヴは仕事をクビになってしまう。職を失ったデイヴが町から立ち去ろうとしていると、新聞の切抜きを振り回しているジュリーに引き止められる。

ベトナムにいるアメリカ軍のために慰問にいく歌手のオーディションにどうしても参加したいというのだ。三姉妹はベトナム戦争のことはよく知らないが、それでもチャンスにはかわりない。

 

 

嫌々ながらもデイヴは三姉妹の音楽ディレクター兼マネージャーを引き受けるが、その条件はカントリーをやめてソウル・ミュージックの歌い方を学ぶことだった。その方がアメリカ軍兵士に受ける可能性が高いのだ。

 

そんな中、アボリジニとしての立場を放棄し、オーストラリア社会で白人として生きている従姉妹のケイ(シャリ・セベンズ)も加わり、4人は“サファイアズ”を結成。ソウル狂いのデイヴの熱い指導のもと、“サファイアズ”はソウル・ミュージックのいろはを叩きこまれる……。

 

 

オーストラリア先住民の歴史

かつては【アボリジニ】と呼ばれていました。【アボリジニ】とはオーストラリア大陸と周辺諸島の先住民です。近年のオーストラリアでは殆ど、【アボリジニ】とは言わずにアボリジナルやアボリジナル・ピープルまたはオーストラリア先住民と呼ばれているそうです。

 

イギリスを中心としたヨーロッパ人達による植民地化の何万年も前からオーストラリアやその周辺諸島に住んでいた人々がいました。

 

彼らの生活は洞窟等を住居としながら食料を得る採取狩猟型だったそうです。西洋人が最初にオーストラリアを発見した頃は、50万から100万人程の先住民が生活していて、言語だけでも250、部族数は700を超えていました。

 

これが1920年には約7万人まで減少したそうです。ヨーロッパ人が大陸から持ち込んだ伝染病の流行が原因と考えられています。

 

1788年から白人たちによって植民地化されていく過程で、イギリス政府はオーストラリアの土地は自分達のものであると、勝手に解釈し、元々住んでいた先住民の土地を奪っていきました。

 

1869年から1969年までの間にアボリジナルの子供や白人との混血児を親元から離し白人家庭や寄宿舎で養育する政策が行われました。

政府や教会が主導して行われたこの政策で子供のおよそ1割が連れ去られ、実際の行先は強制収容所や孤児院などの隔離施設だったそうです。

 

この『ソウルガールズ』の登場人物であるケイもこの政策により連れ去られた子供の一人でした。

 

1992年、連邦最高裁判所が土地の所有権はアボリジナルにあると認めるまで続き、2008年に首相が白人達がオーストラリア先住民にしてきた様々な迫害に対して公式に謝罪することで、長い否定の歴史に終止符が打たれました。

 

スポンサーリンク



映画『ソウルガールズ』を観たネタバレ感想

映画大好きChie

私が実際に観てみました!

 

予告編を観てすぐに気になって観た作品です。観る前は、コメディ作品なのだろうと高を括っていたのですが、笑ってしまう場面は多いもののコメディ映画ではありませんでした。

 

作品の中で彼女たちの歌うソウルミュージックが良いです。最初はカントリーミュージックで臨んでいた姉妹たちでしたが、ぱっと見のダメ男風のデイブ(マネージャーとなる)に出会ってソウルを伝授されたのが素晴らしい化学反応をおこしたんですね。

 

デイヴが彼女たちにソウルミュージックの歌い方をレクチャーする場面のセリフには鳥肌が立ちました。

「ソウルは失ったものを求めて必死に手を伸ばす。その切なさをどの音にも込めろ!」

 

オーストラリア先住民の家族の物語です。そして舞台は1968年、1967年までは彼らには市民権がありませんでした。政策により、引き離されてしまった従妹のケイ。虐げられてきたのに、出てくる家族が暗くないんです。だからと言って、負けているとか無関心ではない、映画自体の喜怒哀楽のバランスが丁度いいんです。

 

長女ゲイルとデイブは誰もが応援したくなるカップル。終わりまで観ると、二人は運命的に出会っているんだなとしみじみ感じました。デイヴの存在のおかげでゲイルの家族を想う深深い愛情がわかりました。

 

 

最初から最後まで笑って、歌って、踊って、ハラハラして、祈って、涙して、いろんな五感を刺激される作品でした。

 

ソウルガールズ(映画)のあらすじや実際に観たネタバレ感想のまとめ

オーストラリア先住民を描いた映画では、ゲイル役のデボラ メイルマンが出演している2002年のオーストラリア映画映画『裸足の1500マイル』があります。こちらも実話に基づいて作られた作品です。

 

またニコール キッドマンとヒュー ジャックマン主演で2008年のオーストラリアとアメリカ合作の映画『オーストラリア』でもフィクションではありますが、アボリジニの少年とその祖父が広大な大地と共に描かれています。

 

日本から遥か遠く離れた国のオーストラリア、映画作品に触れることで私達にも化学反応が起こりそうな気がしてきませんか?

 

 

スポンサーリンク



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください